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ペルソナって作らなきゃいけないの?

ペルソナ

ペルソナって聞いたことがありますでしょうか。
あ、いえゲームではありません。(このネタ、よくありますねえ)

マーケティングを行っていれば、ペルソナが重要なことはご承知だと思います。
ですが、うちの会社にペルソナなんて必要ないよね、と思っていらっしゃる会社様はたくさんあると思います。

BtoBだから必要ない。その気持ちもよくわかります。

ですが、ペルソナとは「商品やサービスを購入してくれる顧客の中で一番重要な人物像、モデルのこと」です。

あなたの会社が何も販売していないのであれば、ペルソナは存在しません。ですが、経済活動をしている以上販売先があるものです。その時一番重要となる人物像、それがペルソナとなります。

企業対企業(BtoB)の取引であっても、決裁権は相手の会社の社長にあるのかもしれませんが、御社を推薦してこの会社と取引したいのですが、と会社に提案する社員がいるはずです。
その社員の心に響かなければ、目に留まらなければテーブルにも乗らないのです。

その社員の目に留まるようにするには、その方のことをよく知るのが一番正解に近づきますね。その社員のことを分析してよく知ること、これがペルソナづくりの大枠です。

「ペルソナ」を理解しよう

ペルソナは商品やサービスを利用する典型的なお客様の像の事です。
マーケティングでは、ペルソナを基点に商品開発、流通ルート、価格設定、サービス内容、販促、キャンペーン、対応、パンフレットなどの多岐にわたる戦略を練っていきます。
とても重要視されている部分だとおわかりいただけるでしょうか。

かなりリアルに想定していくことが要求されます。実際に存在しているように名前をつけ、年齢、学歴、生活水準、仕事、居住地、家族構成、生い立ち、考え方、休日の過ごし方など、その人物像が明確になるまで決めていきます。

そうやって、人物像を明確にしていくことで、ブレない考え方が出来上がっていきます。明確にした人物像が喜ぶか、喜ばないか、これを考えるだけでいろんなことが進んでいくからです。

よく混同されるのはターゲットとは違うのかということです。

ターゲットとはもっと大雑把で幅広い「層」を出します。
すごく簡単にいうと「20代 女性 OL」のようなものです。
たくさんの20代OLがいるでしょう。趣味も好みも違う、休日の過ごし方も仕事の内容も、困っていることも、好きな雑誌も何もかもが違います。
全ての20代OLが喜ぶもの、それを考える方が難しいのです。

「ペルソナ」があると役立つこと

商品開発からデザイン、販促まで、いろいろな人が関わるプロジェクトの中で、同じイメージを共有するのはとても難しいことです。

例えば電化製品を作っている会社であったとします。ターゲットはお母さんです。


商品開発の時点では、30代のお母さんの欲しい機能はなんだろう。そう考えながらいろんな機能を盛り込んでいきました。働いている人ならこんな機能がいるだろうな、専業主婦ならこんな機能がいるだろうな、子供が小学生ならこんな機能‥どんどん機能は増えていきました。そして販売価格が一般のものより少しアップしました。

デザインの段階で、デザイナーはバリキャリのワーキングママをイメージして、スタイリッシュでシンプルなデザインで進めました。
たくさんの機能がついているので、それをどう見せるのか、シンプルにしようとしても、シンプルになりきらず、少し使いづらいかもしれません。でも見た目を重視しました。

広告の段階で、20代の若いママをターゲットにしました。
デザインがシンプルで、今のミニマルな考えの若い夫婦に受け入れられそうだと考えたからです。

30代のお母さんが欲しい機能が充実した商品で、デザインは40代バリキャリ向けで、その商品を目にするのは20代のママだったら。

誰も欲しくなりませんね。
もちろん、かっこいいのが好みの20代ママもいるかもしれませんが、価格も一般のものより高く、そんなに多く売れるものになるとは思えません。

こんなに極端な食い違いが出ることは実際にはないでしょうが「お母さん」だけでは、それぞれの担当者の持っているイメージは違うのではないでしょうか。小さな違いが数多く出てきてしまい、結果ブレたものが出来上がってしまいます。

では、ペルソナがあるとどうなるのでしょう。

  1. 担当者がそれぞれ、同じ人物像を想定することができる
    ぶれることなく、それぞれの担当者が同じ人物を思い描きながら進めることができることで、打ち合わせや修正などの時間が短縮でき、思い込みや食い違いを大幅に減らすことができます。
  2. ユーザー視点でモノを考えることができる
    ユーザーがどんな人かがわかっているということは、このユーザーにとって何が大切で何が欲しいのか、ということが明確にわかるということです。結果、ユーザーが本当に求めるものを作ることも可能になります。
  3. 時間とコストが削減できる
    打ち合わせ、修正、開発、マーケティング、価格設定、広告宣伝、商品の開発から販売に到る全ての時間とコストが削減できます。一回一回の意識のすり合わせや幅広い対応をするための時間とコストは馬鹿にならないものです。大切な時間とコストの削減は会社にとって大事な資産を守ることになります。

ターゲットとなる人物をまるで、実在する一人の人物のように作り上げるペルソナを作る事で、会社の大切な「時間」「お金」という資産を守ることにも繋がります。

ぜひ、一度試してみることをお勧めいたします。

Reporter

うえあおい

ブランドテーラー

ブランディングに携わって15年。いや、20年..ちょっとサバ読みました。
女性向けのブランディングが得意です。

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