ブランディングに必要なこと
技術がある、丁寧に仕事している、早い対応ができる、それがわかってお客様に選ばれているんだからブランディングなんて必要ない、そう考えていらっしゃる経営者の方もたくさんいらっしゃいますね。
それであれば、既存顧客との関係はしっかりしたものでしょう。
既存顧客はその企業の強みを欲しているから、長いお付き合いができているのだと思います。そしてその既存顧客からの紹介で仕事が広がっていることでしょう。
そしてその強みを社員全てがわかっていて、その強みに沿った対応ができているのだとしたら、インナーブランディングはできています。
ただし、その強みから外れた仕事をしている社員がいるとしたら、ブランディングとは言えません。丁寧ではない対応をしてしまった、それだけで強みに対する信頼は無くなってしまうからです。
そして新しい顧客に響くかどうかはわかりません。付き合いが始まらないと、その強みはわからないのですから。新しくビジネスを広げる上では外に向けた発信が必要になります。
また、採用に関してもそうです。
近年では売り手市場が続いており、今後も売り手市場は変わらないと推測されます。良い人材を獲得するためにはこの会社で働きたい!と選んでもらうことが必要になるのですが、そのためには会社の強みや特徴を発信し、見てもらうことがとても重要になります。
ブランディングに必要なことは、
- 特徴、強みを明確化すること
- 言葉として表現できるようにすること
- 社内で浸透させること(インナーブランディング)
- 特徴を軸としたサービスや商品、品質管理体制などを作り上げること
- それに合わせた成長を促す評価制度を作ること(インナーブランディング)
- その特徴、強みを発信すること
- 発信するために必要なツールを作ること
一つ一つ行うにはかなりの労力が必要になりますし、社員に浸透しないと全く意味を持ちません。ですが、きちんとやった後には色々な課題が解決されていくことが実感できるでしょう。
企業さんのブランディングをお手伝いしていると、まず社員の方のモチベーションが上がっていくのがわかります。
話を聞いてもらえる、意見が受け入れられる、考えていることが共有できる、会社が変わっていく期待、そのようなものがモチベーションにつながっているのだと思います。
ブランディングができているか確認してみる
以下の設問のうちYESで答えられるものはどれですか?
- 会社の強み、特徴が言語化されていますか?
- あなたが思っている会社の強みや特徴と、他の社員の方が思っている会社の強みや特徴は一致していますか?
- あなたのお客様は、あなたの会社にどのような印象を抱いているかご存知ですか?
- 3は言語化された強みや特徴と一致していますか?
- あなたの会社のサービス、対応、商品には、一貫してその強みや特徴が反映されていますか?
- 強みや特徴を伸ばすための施策が会社にありますか?
- 特徴や強みが会社のロゴやWEBサイト、パンフレットなどに表現されていますか?
いかがでしたでしょうか。
これが全てYESであれば、ブランディングがしっかりできています。
NOのところがあれば、そこがブランディングとして欠けている部分です。
ブランディングを中途半端に行うと勿体無い結果を招くことになります。
強みや特徴がわかったとしても、それを社内に浸透させられなければ本当の強みとして活かすことができません。
せっかく時間をかけてインナーブランディングまで行なったとしても、それを表現できていなければ新規の顧客獲得に繋げるのは難しくなりますし、採用の強化にはつながりません。
また一番怖いのが、一回社内外に向けて浸透した強みや特徴が、会社として守られていないと感じられたとき、信頼性は著しく低下します。
お客様も社員も裏切られたと感じることになり、顧客離れ、社員離れを起こすことも考えられます。
全てを計画的に行なっていくことで、最大限の力を発揮するのがブランディングです。
真剣にやればやるほど効果を発揮しますが、一方で真摯にブランドと向かい合って運営しないと、悪い結果をもたらすことになることも覚えておいてください。
ブランディングに必要なことは結局、「やる気」「根気」「勇気」です。
うえあおい
ブランドテーラー
ブランディングに携わって15年。いや、20年..ちょっとサバ読みました。
女性向けのブランディングが得意です。